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対象者 | 老後に自分でお金の管理ができるか心配な方、遠方の親の老後が心配な方 |
「老い支度」に向けた準備とは?
元気なうちの「老い支度」として、「自分のお墓の準備」や「お葬式の準備」をされている方は多いと思います。
一方で、「財産管理」についても、準備はされていらっしゃるでしょうか。
もちろん、「財産管理」の準備など不要で、”達者でぽっくり”、”最後まで元気”、”大往生を遂げた”、となることが最も幸せかもしれません。
しかし、そうした人生の最期を送れるかどうかは、はっきり言って誰にも分りません。
判断能力が低下したり、身体が不自由になることで、若いころなら問題なくできたことが、年齢とともに出来なくなってしまうといった可能性も十分に想定しておかなければらなりました。
ご自身の老後について、判断能力を失う前に積極的に向き合い、頼れる親族がいない場合には、自分の老後を誰にどう託すのかを決めておくことが必要な時代です。
もし、ご自身の財産で「人生の最期までご自身の望む形で暮らしたい」とお考えなのであれば、
成り行き任せではなく、ご自分で、老後への備えを計画的に行っておくことが必要です。
老いに備える「財産管理等委任契約」とは?
脳梗塞などで倒れ、車いす生活になると、年金受領の為に銀行へも自分で行くことがままならなくなってきます。
そうなると、誰かに通帳を預けて、自分の代わりに行ってもらう必要が出てきます。
また、病院代など各種の支払いや、自宅の光熱費などの支払いがもし出来なくなってしまうと、
最悪の場合、電気・水道・電話等が止められてしまう恐れもあるかもしれません。
体が不自由になってきたため、自宅を売却して介護施設への入居費用に充てようと考えたとしても、
自分ではその手続きをする気力や体力がなく、最後まで続けることが出来ないかもしれません。
人間は誰しも年を重ねると、足腰が弱くなり、目も見えづらくなってきます。
そして、手が震えて字が書けなくなるなど、体が不自由になってくると、様々な事務手続きが困難になってきます。
事務処理を自分自身で出来なくなると、日常生活がとても不自由なものになってしまいます。
こうした状況になった時に、預金の引き出しや病院の支払いなど、日常の財産管理を代行してもらうために、
ご自身の信頼できる人との間で、「財産管理等委任契約」を交わしておくことによって、こうした不自由さを解消することが出来、安心して老後を迎えることが出来るようになります。
財産管理等委任契約の内容は?
高齢者本人(委任者)が、信頼して任せたい人(受任者)に対して、「自分の財産を管理するための権限を与える契約」です。
契約を交わした後であっても、これまで自分でできたことには何ら変わりは無く、高齢者本人(委任者)自身も銀行での預金引き出しができますし、各種の支払いも行うことが出来ます。
また、任せる人(受任者)に対して、何をどこまで任せるのかも、自由に決めることが可能です。
【代理権の例】
①金融機関とのすべての取引
②家賃の支払いや受取り
③各種税金や光熱費等の支払い
④生活に必要な物品の購入
⑤医療契約、入院契約、介護契約その他福祉サービス利用契約の締結 など
「最初は一部だけを任せたい」「徐々に権限を大きくしていきたい」など、高齢者本人の要望に応じて、順次与える権限を付与していく事も可能です。
また、任される人に対し、一定の報酬を支払うことも可能です。
委任者と受任者の双方が合意した内容であれば、原則として自由に内容を決めることが出来るのが特徴です。
委任契約書の作成は「公正証書」をおススメする理由とは?
上記の通り、財産管理等委任契約はお互いの合意さえあれば、内容を自由に決めることが出来ます。
一方で、契約書を元に受任者が活動を行う際に、その代理権を示された第三者からすると、本当にそうした契約が有効なのかについて、不安に感じる場合もあるかもしれません。
そうした場合に備えて、契約書の作成を公に証明してくれる「公正証書」を利用することで、一定の安心感を持ってもらう事が出来るでしょう。
また、公正証書で作成することによって、高齢者本人が認知症等による判断能力が低下していない、ということも合わせて公証役場では確認しますので、そういった面でも安心です。
財産管理委任契約の注意点とは?
財産管理委任契約の注意点は次の通りです。
契約の履行状況を監督する機関がない
財産管理委任契約は、民間人同士が行う契約ですので、仮に公正証書で作成はしたとしても、その後の契約の履行状況を監督する公的な機関は存在しません。
そのため、財産管理を委託された側の行為をチェックすることが難しい点が問題となります。
この点については、司法書士等の専門家を監督者として加えることで、不正な行為を抑止する事が出来るでしょう。
委任者の行った契約の取り消しができない
財産管理委任契約には取消権はありません。
これはつまりは、財産管理を委任した者(委任者)が行った契約を、管理を委任された側(受任者)が取り消すことはできないということです。
財産管理委任契約は、受任者は委任者を代理して契約に定められた事項を行うものなので、法定後見制度のような契約の取消権は認められていません。この点、財産管理委任契約の利用にあたっては注意が必要です。
医療行為の同意ができない
財産管理委任契約では、手術や延命治療といった医療行為に関する同意権がありません。そもそも医療行為の同意は、成年後見や任意後見といった制度を利用していても行うことができないとされています。
財産管理委任契約による手続きを認めていない金融機関がある
金融機関によっては財産管理委任契約書があっても、預貯金の引出しなどの手続きを行うことができないところがあります。ATMを利用する場合は別として、窓口で手続きを行なうことを想定している場合は事前に利用する金融機関に財産管理委任契約書による手続きが可能か否かを確認することが必要です。
不動産の売買については本人確認が優先される
不動産の売買については、売主、買主、さらには不動産会社や登記を行う司法書士などが手続きの際に本人の確認を行います。そのため、財産管理委任契約書があっても実質的な意味はないとされています。
まとめ
財産管理委任契約の利用が適している方としては、判断能力の低下は今はまだないけれど、高齢や事故などによって自由に体を動かすことが難しくなった方が、日常生活を送っていくための支援を行う仕組みです。
将来、判断能力が低下したときに備える「任意後見契約」と併せて利用することが多く、
それによって、元気なうちから将来の判断能力の低下にも備えることが出来、利便性が高い契約ということができるでしょう。
当事務所では、財産管理委任契約の利用や契約書の作成についてご相談を承ります。
また、任意後見契約との併用についてもサポートしております。
実際に財産管理等委任契約に興味を持った際に、より詳しく相談したいと思った時、多くの専門家事務所は平日日中しか対応していない事も多く、また役所や機関ごとにやり方も違っていて、とても不便にお感じになるでしょう。
当事務所では、元信託銀行員の経験を活かし、信託銀行以上のサービスを、低料金にて提供しております。
どうぞお気軽にお問合せ下さい。
また、合わせて将来の相続に備えて相続税が心配な方、税金対策の相談をしたい方向けに、以下のサービスをご紹介します。
老後への備えと合わせて、相続税対策を検討してみるのもお勧めします。
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