と対象者
難しさ度 | |
重要さ度 | |
お役立ち度 | |
対象者 | 相続税や相続放棄の判断に迷っている方 |
この記事では、故人様の財産を相続する際の、相続税や相続放棄の判断基準をわかりやすく解説していきます。
故人様の遺品整理をしていると、机の中から借用書が出来てきたり、古い保証契約書が見つかったり・・・。
「もしかして借金が残っているのかも。相続放棄したほうがいいんじゃないかな??」
「ローンが残っているし、相続税の計算で安くならないのか??」
など、借金や債務ってどういう扱いをすればいいのか?といった疑問が湧いてくると思います。
ここでは、故人様に借金や債務があり、相続放棄や相続税が気になる方に読んでいただければ幸いです。
当ブログは、「専門家が専門用語を使わず、やさしくわかりやすく相続を解説するブログ」です。
さあ、ご一緒に勉強していきましょう!
相続するかどうかの判断は「相続遺産の全容把握」から
故人様のおもちものを整理していくと、預金や不動産などの他に、貴金属や美術品、アンティーク家具、趣味で集めていたものなど、故人様が思っていた以上に様々なものをお持ちであったことが分かります。
一方で、借用書や連帯保証契約書など、返さなければいけない借金などの書類が見つかることもあるかもしれません。
相続手続きの方向性を決定するためには、手続きの初期の段階で、財産としてプラスのものだけでなく、マイナスのもの(借金や債務)もあるのか、つまりは「遺産の全容把握」が欠かせない作業になってきます。
もしも借金の方が上回っているようですと、「相続放棄」を検討する必要がありますし、
仮に運よくプラス財産が上回っていたとしても、相続人の間での話し合いの材料となったり、
相続税がかかるのか(払えるのか)を判断するためにも、
相続遺産の全体像を明らかにしていく事が重要となってきます。
相続遺産は4つのタイプに分けられる
相続遺産の全容を把握するために、故人様のあらゆる財産を以下の通り4つのパターンに整理していきます。
なお、ここで財産とは、借金など返済義務があるものも、「マイナスの財産」として扱っていきます。
①プラスの財産 | 不動産、預金、株式の他、美術品や貴金属など。市場で値が付くもの全部。 |
②マイナスの財産 | 借金、住宅ローン残高、税金の未払い分など。 |
③みなし財産 | 生命保険金、死亡退職金など。 |
④非課税財産 | お墓、仏壇、仏像など。 |
①プラスの財産とは?
プラスの財産とは、分かりやすく言うと「お金で価値を見積もることが出来るもの」です。
不動産や株式は各種市場での価値があり、その他美術品や骨董品、自動車やゴルフ会員権なども、
その価値をお金で評価することが出来るので、プラスの財産に含まれます。
不動産や株式は、相続税の計算上も評価方法が確立していますが、それ以外の財産は、はっきりとした金額の把握が難しい場合もあります。
そうした場合、複数の業者から買取金額の見積もりをとって、その平均値を使用するなどにより、価値を把握します。
財産の評価額を把握したい方は、以下の業者も活用下さい。
②マイナスの財産とは?
マイナスの財産とは、「故人様が負っていた借金や未払いの税金など」のことです。つまり負債です。
例として、住宅ローンの借入金残高や、消費者金融からの借入金です。
他には、滞納している家賃や光熱費、スマホ代や未払いのツケ、未払いの税金なども含まれます。
故人様が「連帯保証人」になっている場合は??
連帯保証人とは、借金を返せなくなった他人に代わって、返済の義務を負った人のことです。
他人の借金の内容によっては、故人が払う必要もあるため、相続人が引き継がなければならないケースもあります。
契約内容によって判断されるため、必ず専門家へ相談した方が良いでしょう。
~ワンポイントアドバイス~借金の有無の調べ方
・・・借用書、請求書、督促状、振込用紙などが無いか?
。
CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)
加盟企業でのクレジットカードの未払い残高やローンの確認が出来る。
https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
JICC(日本信用情報機構)
https://www.jicc.co.jp/kaiji/31
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
できる。
③みなし財産とは?
みなし財産とは、「故人様が死亡したことに伴って受け取る財産」を指します。
具体的には、死亡により発生する生命保険金や、勤務先から支払われる死亡退職金などが該当します。
亡くなってすぐに支払われなくても、故人様が亡くなった事を理由に、後日支払われるものはみなし財産にカウントします。
④非課税財産とは?
非課税財産とは、相続税の課税対象にならない財産、つまりは「持っていても相続税がかからない財産」のことです。
故人様が所有していたお墓や仏壇、仏像など日常的に礼拝していた宗教的なものがこれにあたります。
(ただし、不必要に金箔が装飾されている仏壇など、高額なものは非課税財産にはならないので要注意)
また、生命保険金や死亡退職金の一定額についても、非課税となります。
【結論】遺産の総額を算出する
上記の様な形で、故人様の財産を4つのパターンに整理した後、遺産の総額を算出します。
算出の結果、プラスになるのか、マイナスになるのかを確認することで、今後の相続手続きの方向性を決定します。
遺産の総額=①プラス財産 + ③みなし財産 ー ②マイナス財産 ー ④非課税財産
上記の算出の結果、「遺産の総額」がプラスかマイナスかによって、相続手続きの方向性を以下の様に判断します。
遺産の総額がプラスなら・・・相続することを前提に、相続税や今後の手続きを確認する。遺産分割を進める。
遺産の総額がマイナスなら・・・相続放棄を検討する。ただし、プラスの財産も放棄することに注意。
相続税が気になる方は、このタイミングで税理士へ相談を
財産の配分を決めるにあたって、相続税が気になる場合は、この時点で税理士への依頼を検討した方がよいでしょう。
相続税は、もらう財産に応じて納税額が変わってきます。
また、もらう人が妻や夫など配偶者の場合は税金が安くなったりと、様々な控除が受けられます。
そうした相続税の制度を踏まえた上で財産の配分を決めることで、税理士への手数料を支払う以上に、税金を安く済ませる事も可能です。税理士費用は、そのためのアドバイス料と割り切ってもよいでしょう。
税理士側でも、財産内容の確認作業や相続人への聞き取りなどに時間を要しますので、依頼を検討する場合は早め早めに動いておくと、税理士からもより良いアドバイスをもらうことが出来ます。
もしもお知り合いに税理士がいない場合、もしくは相続税がかかるかどうかが気になる方には、依頼者に最適な税理士を紹介してもらえるサービスがあります。
相続税が心配な方、まずは税理士に話を聞いてみたい方は、こちらのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
【クリックすると税理士紹介希望者募集【税理士紹介ネットワーク】へ移動】
【クリックすると【税理士ドットコム】へ移動】
相続税の申告と納税には期限があります(10か月以内)
相続人が相続する遺産が確定したら、故人の亡くなった日から10か月以内に、相続税の申告と税金の納付をしなければなりません。
この期限までに、話し合いが出来なかった場合は、一旦は「未分割(みぶんかつ)」という形で、相続税の申告と納税を行います。
後日、話し合いが済んだ段階で、改めて申告をやり直します。
もしも、当初の未分割での申告よりも納税額が少なく済んだ場合には、払いすぎた相続税は戻してもらうことが出来ます。
払いすぎた相続税を取り戻すことを、「更生(こうせい)」といいます。
ただし、申告期限から5年以内に行わなければならないので、注意が必要です。
まとめ
故人様の財産を相続するか、相続放棄をするかの判断基準はお分かりいただけたでしょうか?
相続手続きは平日日中に動かなければならない事も多く、また役所や機関ごとにやり方も違っていて、とても面倒な作業です。
故人様が残してくれた大切な資産を確実に相続する方法として、信託銀行等の専門機関に相続手続きを依頼すると、こうした面倒な手続きを一括して代行してくれます。
ただし、一般的に信託銀行は費用が割高(最低100万円~)となりますので、ご自身でしっかりと「どこまで代行してくれるのか」「追加費用は発生するのか」など依頼内容を確認してください。
当事務所では、元信託銀行員の目線で、信託銀行と同一のサービスを、低料金にて提供しております。どうぞお気軽にお問合せ下さい。
また、信託銀行や当事務所の相続手続き代行サービスとの比較として、「相続の窓口を一本化」してくれる業者も合わせてご紹介しておきます。
「相続の窓口」では、株式会社ネクサスプロパティマネジメントが運営しており、担当者がお客様の相続手続きに必要な専門家(税理士、弁護士、司法書士など)を手配してくれて、更には不動産の売却まで相談できるため、自分自身で探したり、判断する手間が省けます。
【クリックすると相続の窓口サイトへ移動】
基本的なサービス内容は当事務所と概ね同じですが、夜間対応や料金面で差があるため、「何を」「どこまでやってくれるのか」を問い合わせし、比較してみてはいかがでしょうか。