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対象者 | 財産を相続するスケジュールが気になる方 |
この記事では、故人様の財産を相続する際のスケジュールについてわかりやすく解説していきます。
生前に故人様の介護やお世話で大変苦労された皆様・・・。本当にお疲れ様でございました。
私もこの仕事をやっていて、つくづく「これまで長い間頑張ってきた方が報われる世の中になってほしい。」
と思っています。そんな皆様が今気になっていること。それは・・・
「それで、いつ財産は相続できるんだ?・・・。」ということだと思います。
そんな方に読んでいただければ幸いです。
当ブログは、「専門家が専門用語を使わず、やさしくわかりやすく相続を解説するブログ」です。
さあ、ご一緒に勉強していきましょう!
最も重要な期限は、「10か月以内に相続税の申告と納税」
相続は、故人が亡くなった日から開始します。
従って、相続手続きも、故人が亡くなったその日から始めなければいけません。
悲しみに暮れていて何も手がつかない、お気持ちはとても分かります。
それでも、手続きを始めないと、あとで追徴金を払わなければならない事態になるかも、です。
まずは、相続の発生~税務署に相続税申告を行うまでの10か月間に関する、一連の流れを確認しておきましょう。
期限 | やるべきこと | 提出先 |
---|---|---|
相続開始日 | ||
+7日以内 | 「死亡診断書」の取得 「死亡届出」の提出 「死体火葬許可証」の取得 | 病院、役所 |
+10日以内 | 「年金受給権者死亡届」の提出 | 最寄りの年金事務所 |
+14日以内 | 「国民健康保険証」の返却 「介護保険証」の返却 「世帯主変更届」の提出 | 役所 |
+3か月以内 | 相続方法の決定 (単純承認、限定承認、相続放棄) | 家庭裁判所 (司法書士へ相談) |
+4カ月以内 | 準確定申告 | 税務署 (税理士へ相談) |
遺産分割協議 | ||
遺産分割協議書の作成 | 司法書士へ相談 | |
+10か月以内 | 相続税の申告 (遺産分割協議がまとまらなくても、一旦は「未分割」で要申告 | 税務署 (税理士へ相談) |
預金や株式の解約、不動産の名義変更 相続財産を取得 | 金融機関 法務局等 |
まずは「死亡届」を提出(7日以内)
まず最初にやるべきことは、亡くなった日から7日内に、死亡した方の本籍地か住所地の役所(戸籍係)へ、死亡届け出を提出します。
住所地では扱ってくれない場合もあるので、本籍地が離れた場所にある場合は、最寄りの住所地の役所に確認をした方がよいでしょう。
死亡届け出を提出する際、死亡を確認した医師や病院が発行する「死亡診断書」を一緒に提出します。
死亡届け出が受理されると、「死体火葬許可証」が発行されます。
死亡届け出を提出することによって、戸籍に反映されます。
これにより、相続手続きの際に必要な戸籍の発行を受けることが出来るようになります。
なお、万が一7日以内に死亡届け出を提出しないと、5万円以下の過料を徴収されることもあるので注意してください。
年金、健康保険や介護保険も忘れずに提出(10日~14日以内)
年金、健康保険や介護保険についても、忘れずに手続きを済ませましょう。
特に年金は、「年金受給権者死亡届出」を提出しないと、故人が無くなっているにもかかわらず年金が振り込まれてしまいます。
振り込まれてしまった年金は、戻さなければならない場合もあるので、お早めに手続きを行った方がよいでしょう。
なお、逆に亡くなった後でも受け取れる年金もありますので、詳しくはこちらの記事をお読みください。
また、故人が国民健康保険加入者の場合、葬祭費などが遺族に対して支給される制度がありますので、役所へ確認の上、こちらの請求も忘れずに行いましょう。
ご参考までに、東京都練馬区と江東区のホームページリンクを掲載します。故人様のお住まいの役所にてご確認下さい。
これらの他には、勤務先によっては死亡退職金や、生命保険の請求なども、忘れずに請求しておきましょう。
思ったよりも時間がかかりますので、早めに動くとよいでしょう。
財産の調査・把握(目安:3~4か月程度)
役所関係への申請、保険会社への請求がひと段落したら、次は故人の財産内容の確認です。
通帳やキャッシュカード、不動産の権利証や株券など、持っている資料を丁寧に確認してみましょう。
同時に、誰かからお金を借りていなかったかなど、借金に関する書類が無いかについても、合わせて確認をしておくとよいでしょう。
財産の配分の際に、「だれが借金を引き受けるのか」も、重要な協議事項となってくるはずです。
預金や株式、不動産などの調査は想像以上に時間を要します。
万一調査に漏れがあった場合、後日相続税の申告漏れで追徴課税となってしまう場合があるので、
この時点できっちりと調べておく必要があります。
財産の調査方法については、こちらの記事も合わせてお読みいただくとよいでしょう。
財産の配分を決め、遺産分割協議書を作成(半年~8カ月程度)
財産の調査・把握の後、相続人間で「誰が」「何を相続する」かの話し合いを行います。
銀行や証券会社などでの手続きを行うために、話し合った内容を「遺産分割協議書」という書面で作成します。
遺産分割協議書は、相続人全員が署名し、実印を押印しなければなりません。
つまり、一部の相続人だけで勝手に話し合って決めたとしても、残りの相続人が同意していなければ、相続手続きを行うことはできないのです。
話し合いに時間を要する事を見越して、財産の調査を行いながら、誰が何を相続するのかについても、話し合いを進めておく必要がありそうですね。
相続税が気になる方は、このタイミングで税理士へ相談を
財産の配分を決めるにあたって、相続税が気になる場合は、この時点で税理士への依頼を検討した方がよいでしょう。
相続税は、もらう財産に応じて納税額が変わってきます。
また、もらう人が妻や夫など配偶者の場合は税金が安くなったりと、様々な控除が受けられます。
そうした相続税の制度を踏まえた上で財産の配分を決めることで、税理士への手数料を支払う以上に、税金を安く済ませる事も可能です。税理士費用は、そのためのアドバイス料と割り切ってもよいでしょう。
税理士側でも、財産内容の確認作業や相続人への聞き取りなどに時間を要しますので、依頼を検討する場合は早め早めに動いておくと、税理士からもより良いアドバイスをもらうことが出来ます。
もしもお知り合いに税理士がいない場合、もしくは相続税がかかるかどうかが気になる方には、依頼者に最適な税理士を紹介してもらえるサービスがあります。
相続税が心配な方、まずは税理士に話を聞いてみたい方は、こちらのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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相続税の申告と納税(10か月以内)
相続人が相続する遺産が確定したら、故人の亡くなった日から10か月以内に、相続税の申告と税金の納付をしなければなりません。
この期限までに、話し合いが出来なかった場合は、一旦は「未分割(みぶんかつ)」という形で、相続税の申告と納税を行います。
後日、話し合いが済んだ段階で、改めて申告をやり直します。
もしも、当初の未分割での申告よりも納税額が少なく済んだ場合には、払いすぎた相続税は戻してもらうことが出来ます。
払いすぎた相続税を取り戻すことを、「更生(こうせい)」といいます。
ただし、申告期限から5年以内に行わなければならないので、注意が必要です。
相続手続き(解約や名義変更)の実施
相続税の申告・納税が済んだら、預金の解約や不動産の名義変更などの相続手続きを実施しましょう。
預金の解約には1か月程度時間を要しますので、相続人が受け取れるのは概ね相続開始から1年程度になるでしょう。
ただ、相続税の納税資金のために、早めに預金の解約をしなければならないなどの事情もあると思います。
その場合は、「遺産分割協議書の作成」が終わった時点で、すぐに金融機関に出向いて手続きを行うとよいでしょう。
必ずしも相続税申告の後に、預金の解約を行わなければならないわけではなく、準備が整った時点で行っても構いません。
不動産については、もし売却を検討しているのであれば、不動産の取得者への名義変更は早めに行った方がよいでしょう。
不動産業者へ売却を依頼する際に、取得した相続人へ名義変更が終わっていないと、取り扱ってくれない事も多いため、早めに済ませておくことをお勧めします。
まとめ
故人様の財産を相続する際のスケジュールや解説はお分かりいただけたでしょうか?
相続手続きは平日日中に動かなければならない事も多く、また役所や機関ごとにやり方も違っていて、とても面倒な作業です。
故人様が残してくれた大切な資産を確実に相続する方法として、信託銀行等の専門機関に相続手続きを依頼すると、こうした面倒な手続きを一括して代行してくれます。
ただし、一般的に信託銀行は費用が割高(最低100万円~)となりますので、ご自身でしっかりと「どこまで代行してくれるのか」「追加費用は発生するのか」など依頼内容を確認してください。
当事務所では、元信託銀行員の目線で、信託銀行と同一のサービスを、低料金にて提供しております。どうぞお気軽にお問合せ下さい。
また、信託銀行や当事務所の相続手続き代行サービスとの比較として、「相続の窓口を一本化」してくれる業者も合わせてご紹介しておきます。
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